小唄と三味線

四半世紀前、小唄を習い始めるとほぼ同時に三味線も習い始めました。小唄の三味線は、撥を使わず指で弾くのが特徴です。爪弾き(つめびき)と言いますが、プロによると、単純に爪で弾くのではなく、爪に当てて爪の横の肉に逃す・・・と。自分の指だから簡単とは言えないようです。

今日は『散るは浮き』を稽古しました。幕末に清元お葉さんによってつくられた、この世で最初の小唄です。はじめチョロチョロ、なかパッパ・・・ですが、唄が終わったあとの三味線(送りとか後弾きと言われます)が、難所です。

伊藤あおい選手

二十歳の日本人女子プロテニスプレイヤー。現在WTAランキングは、キャリアハイの127位。昨年は、417位だったので今シーズンは大躍進。来年は100位以内も視野に入る注目すべき選手。名古屋市出身。中学校はなんと“八王子“中学校! だからという訳ではないが、とても気になる選手である。

その理由は、彼女のプレイスタイルにある。伊藤選手は、右利きでフォアハンドはシングルハンド、バックはダブルハンドという標準的。だが、プレイスタイルは唯我独尊。フォアハンドを強打する選手が多い、女子プロテニス界であるが、伊藤選手はフォアハンドを8割型スライスで打つ。フォアハンドスライスはウッドラケットでテニスを始めたアラ還世代にとっては珍しくなく、アプローチはほぼスライスで打つ。だが、伊藤選手は、ストロークの8割をスライスで打つのである。これはパワーテニス全盛のプロテニス界ではかなり異質。

ダブルハンドのバックハンドはライジング(ボールが跳ねて頂点に達する前に打つ)。このコンビネーションは強力な武器になっている。スライスはトップスピンのボールに比べ急速は遅いが、バウンドが跳ねずに、むしろ滑るような球になるので相手は返球しずらいという特徴がある。伊藤選手は、このスライスを相手のアドコート深く送り相手が甘くクロス(つまり伊藤選手のバックハンド側)に返してきたところをライジングでストレートに打つ。これはスライスとライジングという究極の緩急で、対戦相手はわかっていててもウィナーを取られてしまう。

この伊藤選手の攻撃の基本である緩急は親父プレイヤーも見習いたいものである。そのためにはライジングの習得。ライジングで打つということは、普通に打つよりもコンマ数秒早く打つことになる。つまり、相手の対応する時間的な余裕を奪うということで、この「時間を奪う」ということはテニス戦略の基本だと思う。どんなにいいボールを打っても相手に構えられてしまえば、いいボールどころか強力な返球が待っている。逆に時間を奪えば相手は十分な態勢で返すことができないので、甘いボール帰ってくる確率も高い。

とりあえず、来年の目標はフォアもバックもライジングで打つこと。

小唄『まんざらでもない』

春に向けて新しい唄の稽古を始めました。お家元から、「照正(私の芸名、松峰照正)さんは、女心の唄がお好きだらか」ということで、この曲が課題になりました。

“そんなつもりもないくせに そんなつもりの顔をする そんなあなたと知りならがら まんざらでもない 春の宵“

「そんなつもり」という句が繰り返されますが、臍を曲げている女の姿が浮かんできます。“そんな“は、人それぞれでしょうが、つもりも無いのに、そんな顔をする。昭和のテンプレではないでしょうか(笑)女性は全てお見通しなのに、男は咄嗟の素振りで誤魔化そうとする。女は、「そんなあなたと知りながら」。「お見通しですよ!」と。

でも、それが“まんざらでもない“。やはり、春はいい。

とともに、女の手のひらに乗っていた方が、万事幸せなのかと。