猩々

能の林宗一郎先生が、来年「十四世林喜右衛門」を襲名されるのに合わせて、我々林社中の素人会『松響会』が開催されることになりました。先生の地元京都では4月に。東京では令和7年11月24日(勤労感謝の日の振替)です。会場はなんと、銀座の観世能楽堂! 

この11月の会で、『猩々』のシテを勤めさせて頂くことになりました。猩々は、海底に住む精霊です。揚子に住む高風という親孝行息子は、ある晩「揚子の市で酒を売れば家は栄える」という夢をみます。高風は夢のお告げの通り揚子の市で酒を売りましたが、高風が酒を売っていると必ず現るものがいて、そのものはいくら酒を飲んでも全く酔わない。高風が不思議に思って尋ねると、「海に住む猩々」と名乗りました。
高風が潯陽のほとりで待っていると、赤い顔をした猩々が現れ、友との再会を喜び、酒を飲み舞を舞います。そして、心の素直な高風を称え、これまで酒を飲ませてくれたお礼に酌めども尽きない酒の壺を贈り酔い潰れて伏せてしまいます。これは高風の夢の中でしたが、酌めども尽きない壺は残り、高風の家は長く栄えたと言います。

これが『猩々』のあらすじですが、酌めども尽きない酒の壺を贈られた東風の家は長く栄えたという部分が大変に目出度いということで、附祝言でも唄われることも多く、祝言曲として知られています。

先生の襲名記念の会に祝言曲『猩々』を舞わせて頂けることは大変光栄なことです。『猩々』は五番目物として扱われているので、もしかすると会の最後の番組になるかもしれません。前回の『橋弁慶』はのんびり構えすぎて不完全でしたので、今回は最初から飛ばしていこうと思います。

川崎大師大開帳奉修

大本山川崎大師平間寺では、10年に一度の大開帳奉修が行われています。この期間(5月1日から31日)に参拝すると赤札が授与されます。弘法大師様の無量の功徳を授かる事ができるという赤札を求めて、20万人もの信徒が川崎大師を訪れると言われています。

この期間中の週末は茶道各流が交代で呈茶席を設けて来山者に抹茶を振舞います。茶道宗徧流関東地区は、25、26日を担当しました。25日は中書院座敷にて400服、26日はステンドホールにて500服を差し上げました。

このご奉仕のご褒美に赤札を頂きました。

軒つばめ

JR鎌倉駅では改札を一つ閉鎖しているというニュースがあった。その改札の上にツバメが巣をつくったからだそうだ。閉鎖されている改札には「ツバメ子育て中 巣立つまで温かく見守ってください」との張り紙が。なんとも和むニュース。
https://approach.yahoo.co.jp/r/QUyHCH?src=https://news.yahoo.co.jp/articles/c9e3fe1048337b91edfcd505007c8bdfc48e5779&preview=auto

こちらは小唄。「軒つばめ」

🎵きまぐれに帰ってきたのか軒つばめ 濡れた素振りを見せまいと はずむ話もあとや先 洗い立てする気もついそれて あんまり嬉しい久し振り

なんとも意味深な歌詞ではないか。