能を観に京都へ

京都の北東、一乗寺という地にある関西セミナーハウスにある能舞台「豊響殿(ほうきょうでん)」で催された能を観に京都へ。この地は、雲母(きらら)と呼ばれているようで、豊響殿に登っている急坂道には「きらら」を冠した看板がいくつか見れる。

「豊響殿」は豊臣秀吉三百年遠忌に京都・豊国神社に造られたが、その後この地に移設されたとのこと。豊かな自然の中にある能楽堂。鳥の囀りや竹藪からの風の音が流れてくる中での能は、ビルの中の能楽堂での能とは違い、その出自を感じさせてくれす。

番組は、「百万」。狂物の代表作。奈良の西大寺あたりで子供と生き別れになった女(百万)が狂女となって京に登り嵯峨野清涼寺に辿り着く。ここで、曲舞を舞いながら子供行方を探すのであるが、そこに子供が拾った男と一緒にやってくる。男は、門前の者に面白いものはないかと尋ねたところ、門前の者は百万を勧める。仏のご加護か、我が子の目の前で舞を披露する百万。子供は舞から自分の母であると気づくが、なぜか名乗りでずに舞を観続ける。最後に男が、この子こそ貴女が探していた息子であると名乗り。母子は無事再会を果たし奈良の京都に帰っていく。というストーリー。

狂女の「狂」とが精神錯乱状態になっているという意ではなく、一心不乱になっているという意味。我が子の行方を探すことだけを念じている。百万はそういう女。

能には、子供と生き別れになったという設定のものが少なくない。百万のように理由もわからず離れてしまったのもあるし、攫われたものも。果ては、自分から捨てたというものもある。今の「人権」時代にはありえない話であるが、当時は普通にあったのかもしれない。大抵は再会を果たしハッピーエンドで終わるのであるが、一つだけそうでないものがある。「隅田川」。隅田川の登場人物の供養と伝えられる木母寺は芸能精進祈願でも知られる。この墨田区墨堤通りにある。

墨堤通りといえば、長命寺の桜餅。豊臣秀吉公から桜餅か(笑)

小唄考(1)

「小唄ってなに?」と尋ねられて、一言で説明するのは難しい。25年も稽古を続けていながら・・・ 

そもそも、巷には「祇園小唄」や「お座敷小唄」など「◯◯小唄」という楽曲が数多くある。この場合、「小唄」というのは”短い” ”軽い”唄という意味であろう。しかし、ここで考えようとしている「小唄」は、「◯◯小唄」とは一線を画するもの。あえて言うなら、「江戸小唄」。

小唄の成立を辿ると「端唄(はうた)」から派生したという文章が目につく。実際に、「端唄」と「小唄」両方の看板を出しているお師匠さんも少なくない。だが、敢て小唄と端唄は別物と主張したい。そもそも、端唄は江戸時代にうまれた「流行歌」である。誰がつくったのかも記録されていない。口伝いで普及した流行化である。

これに対して、小唄は作詞者、作曲者がきちんと記録されている。そもそも、小唄はは江戸時代の末期に、二代清元延寿太夫の娘、お葉が父の遺品からみつかった松平不昧公の歌「散るは浮き 散らぬは沈むもみじ葉の 影は高尾か山川の水」に少し手をくわえ節をつけたの始まりといわれている。「小唄 散るは浮き 作詞 松平治郷 作曲 清元お葉」なのである。

先輩諸氏からは「小唄はきちんと師匠と正対して習い、外で唄うときには師匠に許された曲のみとすべし」と教わった。作者がはっきりしているのであるから、しっかり稽古して節をしかりと身につけなければならない。適当では済まされない、ある意味「道」の要素がみてとれる。端唄にそういう要素はない。

写真は、不昧さんのお国、松江の銘菓「山川」。

ド素人のラケットインプレッション

かれこれ3ヶ月テニスから遠ざかっています。そのストレス解消にと、ラケットの新調を試みました。今時であるからYouTubeなどインターネットの上の情報をかき集めて決めたのは、ダンロップのCX200os。ダ社の製品は、Cで始まるのはコントロール系ということで、ラケットがボールを飛ばしてくれる感は少ないが、打感が良いというもの。末尾についてる”os”は、”over size”ということで、現在主流の100平方インチよりも5%広い105平方インチ。いわゆる“デカラケ“です。

フレームはしっかり、打感はソフトという好みのスペック。ダンロップのアイコンである、元日本一位の鈴木貴男プロのコメントでも、打感のソフトさは強調されていました。鈴木プロのプレイスタイルは“サーブ&ボレー“。プロの世界では全くみなくなったプレースタイルですが、アマチュアではまだまだアリ。不祥私もその末席を汚しているわけでございます。鈴木プロはそのポンコツ。サーブ&ボレーヤーの憧れのプレイヤーの一人であります。その鈴木プロが、柔らな打感を絶賛しているのですから手に入れない話はありません。長年付き合ってきたウイルソンから「浮気」でもあります。

そのCX200os。初打ちしての感想は、①確かに打感は柔らかいが、もっと球を掴むフィーリングが欲しい(←ストリングで対策できるかも)②意外や弾道が低い(フラットで打つとネットしやすい) ③サーブは回転をコントロールしようとせずに素直に当てれば素直にスライス回転がかかる  ②はもしかしたら、フラットに打ったつもりでも自然とスピンが入っているのかもしれない。もっとネットの上を狙って打てば、スピンがかかって良いドライブになるのかもしれない

というところ。満足度は70%という感じです。使い込んでいけば、もっと長所が見えてくるかもしれません。