歳暮の茶会

12月の体験茶会、21日からの後半は今年一年を振り返りながら「歳暮」の趣向にしようと思います。

寄付は、仰木露堂の兎の画賛。卯年の歳暮もありますし、兎の餅つきは「豊年」につながります。獨楽庵を北鎌倉から移築し、庭を作り数寄屋を配したのは仰木露堂の弟子、日本建築家の藤井喜三郎です。新しい命を吹き込まれた藤井の作品。仰木の目にはどう映るのでしょうか。

個人的には、今年はなんと言っても「橋弁慶」です。2年間の稽古の成果を渋谷・セルリアン能楽堂で披露することができました。橋弁慶は観世初心謡本では、「鶴亀」につぐ2番目ですが、謡と能では難しさは段違い。装束をつけて、謡ながら長刀を振り回すのは体幹が必要です。50分という短い曲ながら、橋弁慶にはしっかりと前シテ、後シテがあり中入りの間狂言中に衣装替えもあります。見所にいるとあれだけ長く感じられた間狂言が一瞬に感じました。衣装替えして糸で固定して出来上がったと思ったら、謡を復習する余裕さえなく橋掛に「射出」されました。そんな精神状態でもなんとか乗り切れたのは「お囃子」と「地謡」の存在。真っ白な頭でも自然に体が動いていました。能、弁慶関係の道具を見つけて使いたいと思います。

お軸は何にしますか。一人で茶室に在し、炉に火をくべ湯を沸かし客を待つ。省略することなく、愚直にやるべきことをやる。仏の修行もそうなのかもしれないと思いました。仏の修行を怠ることを「退転」というそうです。「退転」しないから「不退転」。

#八王子 #茶会 #独楽庵 #橋弁慶 #観世流 #不退転

新年の予定、新春茶会

令和六年正月の予定を公開しました。「最新情報」→「1月の予定」でご確認ください。

正月には『新春茶会』を計画しております。新春茶会は、「友の会」会員様限定の茶会で、獨楽庵茶寮の支柱であります『獨楽庵』を使用し、皆様と新年を寿ぐ席にいたしたいと存じております。

詳細は後日ご案内させて頂きます。しばらくお待ちくださいませ。

一般向けの『体験茶会』も継続して開催します。スケジュールにつきましては、「最新情報」→「1月の予定」でご確認くださいませ。

#八王子 #茶会 #茶室 #独楽庵 #初釜 #体験茶会

紅葉

八王子を東西に貫く甲州街道。追分交差点から高尾駅前までの約4km。銀杏並木があり、毎年この時期には黄葉で私たちを楽しませてくれるのですが、今年の黄葉はまだまだです。

一方、獨楽庵の紅葉はしっかり色づきました。

12月の『体験茶会』は6日から始まります。是非、紅葉の高尾山、甲州街道銀杏並木とともに獨楽庵の庭をご覧いただき、お抹茶を一服召し上がってください。

詳しくはホームページ dokurakuan.com まで。

#八王子 #茶室 #茶会 #独楽庵 #初心者

正座が・・・

正座が苦手でお茶席を敬遠されている方が少なくありません。初心者でもベテランさんでも。昔は正座でお稽古していたのに膝を故障してからは、正座ができないため茶席に入ることを躊躇っている方もいらっしゃいます。

獨楽庵では、初心者もベテランも茶の湯を心から楽しんで頂くことがモットーです。遠慮せずに椅子をご所望ください。写真は、三畳台目席(小間席)です。小間席でも椅子をお出しします。

正座が出来ないからと茶の湯を遠ざけてしまうのはとても勿体ないと思うのです。

#八王子 #茶会 #茶席 #独楽庵 #初心者 #正座

深秋の獨楽庵

庭の紅葉が大分色付きました。紅葉と言っていいレベルです。

多くの皆様に参加して頂きました『霜月体験茶会』も明日で終了です。次回『師走体験茶会』は、12月6日からです。一席一組、一組3名様までのパーソナルな茶会ですので、未体験の方、初心者の方でも十分に楽しんで頂けます。「以前、茶席に誘われたけど楽しめなかった・・・」という方、茶の湯を諦めずにパーソナルな『体験茶会』に挑戦してみてください。違う世界が見えると思います。

申し込みは、「ホームページ」→「お茶会申し込み」からお願いします。

#八王子 #茶会 #茶室 #初心者 #独楽庵

師走体験茶会の申し込みを始めました

12月(師走)の体験茶会。【前期】12月6日(水)〜10日(日)に、【後期】は12月21、22、23、24、29、30日に開催します。

茶の湯未経験者、初心者を対象とした気楽な茶会(無料)です。一席一組に限っていますので、初対面の方と相席することはありません。ご家族、ご友人とリラックスして茶席をお楽しみください。一組三名様までとさせて頂いています。これは亭主が一人でおもてなしできる上限です。ご理解くださいませ。和菓子に続いて薄茶を亭主の点前でさしあげます。

服装は自由です。ただし、清潔な服装を心がけてください。椅子も用意しますので、申し込み時にお申し出ください。正座が苦手なだけで茶の湯を遠ざけてしまうのはもったいないです。アクセサリーは厳禁です。茶の湯は美術品を手に取って鑑賞する場でもあります。アクセサリーはその美術品を気づつける恐れがあります。また、香水もお控えください。茶席は、茶の香や炉中で炊かれる香など香りを楽しむ場でもあります。

体験茶会のお申し込みは、ホームーページ→「お茶会申し込み」からお願いします。

#八王子 #茶会 #茶室 #独楽庵

雨の独楽庵

朝からの雨に濡れて庭の木々がしっとりと秋らしい風情を見せています。紅葉もようやく色づき始めました。残暑が厳しかろうと、冬が暖かろうと、日本は四季の国です。しっかり四季は巡ってきます。

秋のひととき、独楽庵の「体験茶会」で非日常を体験しては如何ですか。11月は、24日(金)に空きがございます。お申し込みは、「メニュー」→「お茶会申し込み」からお願いします。一席一組限定(見知らぬ方と相席になることはありません)。一席三名様まで(亭主一人でお相手ができる限界です)。プライベートな茶会ですので、作法など気にせずに気楽にご参加ください。

#八王子 #茶室 #独楽庵 #茶会

獨楽庵 茶室について

以前、獨楽庵は右勝手三畳台目向切の構えであることを書きました。大多数の茶席は左勝手で作られています。左勝手では、点前座から見て右側に客座があります。大多数が左勝手であることから左勝手を本勝手、右勝手を“逆“勝手と呼ぶこともあります。右勝手の茶室が少ないゆえでしょう。

右勝手の茶室が少ないということは、右勝手の手前をする機会も少ないということになります。ですから、右勝手は、亭主泣かせの席と言うこともできます。ですから、我が『獨楽庵』も正直なところあまり使われてきませんでした。獨楽庵を愛してきた古の茶人の心を探るためには、何よりもまず獨楽庵に客を招き茶を点てなければなりません。

来年正月の茶会(初釜)は『獨楽庵』を中心におもてなしをしようと思います。慣れない右勝手ですが、稽古を積んで万全の体制で皆様をお迎えしようと思います。そんな時に、大きな力を与えてくれるのが、宗徧流の流祖・山田宗徧(1627-1708)が著した『茶道便蒙抄』です。その巻末には、様々な茶室について道具の置き合わせが図解されています。置き合わせが理解できれば、点前はほぼ完成です。

画像は、『茶道便蒙抄』から『右勝手三畳半向切炉』の置き合わせ図です。300年以上前に書かれた本が現存し、今日を生きる宗徧流茶人の道標になっているのです。

#八王子 #茶室 #独楽庵