茶道を習い始めたばかりの頃、ようやく風炉の点前に慣れたと思ったら、無常にも季節は炉になり一から出直し。この繰り返しを数年繰り返してようやく点前を俯瞰できるようになる。茶道家の誰しもが通った道だと思います。
四半世紀も稽古を続けて、今更初心者を名乗る訳にもいかないのですが、やはり切り替わった直後は戸惑いがあります。そのような時に心強いのが山田宗徧翁が300年以上前に刊行した『茶道便蒙抄』。最古の茶道テキストと言われています。
そこに収録されている「置合せ図」。我々が戸惑うのはまさに「置合わせの位置」。茶道宗徧流の祖は300年以上も前にそこに気付き先回りしてくれていました。お陰で我々宗徧流門人は流祖山田宗徧の点前に倣う事ができ、それを通して流祖の心を探る事ができるのです。
テーマ画像は『茶道便蒙抄』に収録されている三畳半座敷の置き合せ図。改めて確認しました処、燭台の扱いを間違っていました。反省。