土曜日(3月23日)に金沢市内の月心寺で催される茶会『隆茗会』におじゃまするため前日から金沢入り。
金沢在住の旧友を呼び出して居酒屋で腹ごしらえののち、片町のバーへ。歴史を感じるたたずまい。カウンターのなかにはバージャケットのマスターが。山口瞳の作品に出てきそうなバーだなあ・・・と思っていたら、山口瞳の名エッセー『酒呑者の自己弁護』の表紙カバーが描かれたコースターが。みればカウンター奥の壁には山口瞳の書が。
マスターは国立に少なからず縁があるようで、旧友とともに国立話に花が咲き、ついもう一杯。「痛飲」にまで至らないのはお互い歳をとった証左かもしれない。
思えば、今の日本に対するモヤモヤした気持ちは山口瞳的な親父がいなくなったからなのかもしれない。襟を正して酒場に向かう。店に迷惑をかけないように心を配りながら、それを見せない。こういう飲み方をする大人がいなくなった。ふと気づけば自分がそういう年代になっている。襟を正そう。