能楽を稽古して思い知ることは、舞は型の組み合わさせであるということ。「サシ込」「開き」「アゲ扇」「左右」「角トリ」・・・ であるから、各々の型を正確に身につけることが求められる。そして大事なことは、一つの型をしっかりとまとめてから次に型に移ること。
実は、これは茶道の点前でも同じ。点前は、「型」に分解することができる。そして、その型を正確に身につけることが、実は上達の近道なのだと思う。その上で、順番を覚えること。これは、俯瞰すれば、どんな複雑な点前でも構成は同じ。それぞれに、複雑な型が紛れているので難しく見えるが、分解すればやはり「型」の組み合わせなのである。その上で、使う道具に固有の扱いがある。
稽古をしていて共通してつまづくのは、柄杓の扱い。柄杓の扱いという「型」には、点前に求められる体の使い方のエッセンスが詰まっている。次回の稽古では、基本的な「型」の徹底を図ることにしようと思う。