小唄松峰派55周年記念演奏会、無事終了

小唄松峰派樹立55周年記念演奏会。無事終了しました。当日のしかも直前になって、手締めの音頭を取れという無茶振りもありましたが、それを含めなんとか無事にお役目を果たすことができました。

小唄の他にも、お茶と能楽と二刀流ならぬ三刀流でなりふり構わず稽古を続けております。その三者、違うところはもちろん山程ありますが、共通点も。それぞれに「道」なんだなあと痛感しております。
稽古を続けていると、ある時「出来た」と感じる時がありますが、その瞬間に次の課題が見えてくるものです。そうして、徐々に高みに昇り、自信満々本番に臨むと、無慈悲に突き落とされる。それでもスタート時からは確実に進歩している。「道」とはそういうものなのでしょう。


今日から5月18日の日本小唄連盟『さつき会』に向かって稽古を始めます。場所は同じ日本橋・三越劇場。お茶では、9月15日(日)西葛西行船公園・源心庵『月見の茶会』にて薄茶席、10月24日(木)鎌倉・建長寺様『四つ頭茶会』にて薄茶席を担当します。
また、どこかでお目にかかりましょう。

山田宗徧忌

3月17日(日)東京音羽・大本山護国寺にて茶道宗徧流関東地区主催、山田宗徧追善法要および茶会が催されました。

護国寺の大本堂は江戸元禄期の創建。同じ頃、山田宗徧は小笠原家の茶頭を辞し家督を娘婿の二世宗引に譲り一人江戸に下りました。江戸随一と称えられた護国寺大本堂を宗徧も参拝に行ったことでしょう。当日、本堂には百名を超える門人が入堂し立ち見も出る程。御導師、山内式衆の読経のもと流祖・山田宗徧の遺徳を偲びました。

いつもは満開で我々を迎えてくれる本堂脇の早咲きの桜は、すでに散りはじめていました。寒い日が続いているとはいえ、春はもうすぐそこまで来ているようです。

江戸に移った山田宗徧は、数年後「赤穂浪士事件」という世紀の一大事に遭遇することになります。吉良家、赤穂浪士双方に弟子・茶友をもつ宗徧にとって「赤穂浪士事件」どのように映ったか。想像に難くありません。その宗徧の心を思い、吉良家・浅野家の霊をともらうため宗徧流では毎年12月「義士茶会」を開催しています。一昨年は、ここ護国寺で開催。昨年は山田宗徧が晩年の一時期を過ごした静岡で。今年は、小笠原家ゆかりの九州・唐津です。

珠光茶会

3月11日、春の到来を予感させる陽気のなか、南都・奈良を尋ねました。目的地は薬師寺。3月6日からの1週間、奈良の大寺院を舞台に『珠光茶会』が開催されています。

茶道宗徧流は、京都支部が11日に薬師寺で濃茶席をもちました。西ノ京駅を降りて山内に入ると紅白の梅がアーチをつくり出迎えてくれました。獨楽庵は白梅は満開ですが、紅梅はまだまだです。濃茶席のお床は、江戸前期の茶人、土岐二三の「鶯」。そろそろ初音が聞こえる時期ですね。

「梅一輪 一輪づつに鶯のうたい初め候 春の景色もととのうままに 実は逢いたくなったのさ」(平山芦江作詞 春日とよ作曲)

なんとも、小唄らしい小唄。梅が一輪開くごとに春が近づく様を風流に唄っていたかと思えば、最後はストレートに「逢いたい」というオチ。