#茶事をしよう

獨楽庵の様子をInstagram、Facebook、XなどのSNSで発信しています。その際に、「#茶事をしよう」というハッシュタグをつけています。このハッシュタグで検索していただければ、獨楽庵の情報を見つけやすくなりと思います。ご活用ください。

「#茶事をしよう」というのは、獨楽庵のコンセプトの一つです。今日、茶事というと腕によりをかけた立派な料理が折敷(向付け、飯、汁)、煮物、焼き物、強肴、預け鉢、小吸い物、八寸、香の物/湯桶と何品も出され、その間に飯替、汁替があるという豪華な懐石が標準になっています。そのような席に招かれるのは大変嬉しく、楽しいものですが、亭主は大変です。裏方がいれば何んとかなるのでしょうが、一人では大仕事です。茶事の翌日の亭主は、茶事の余韻にひたるどころか疲労困憊ということは想像に難くありません。

このような大掛かりの茶事は日常的に開催することはとても難しいと思いますので、茶事はお祝いなど特別な茶会と位置付けられがちなことも宜なるかなと思います。

獨楽庵は茶道文化を振興するためには「茶事」が果たす役割は大きいと考えますが、そのためには茶事が気軽で、頻繁に、それこそ毎日でもできるものである必要があります。ヒントは、利休の古にありました。利休はその生涯で三菜以上の懐石を出したことは数回しかなかったということです。多くて三菜。二菜の懐石も多くあったと言われています。

利休にならい獨楽庵では一汁三菜の懐石による茶事を実践しています。亭主は、「一日三回、365日できない茶事はしない」などど嘯いております。

戦没者慰霊茶会

10月19日 神奈川県戦没者慰霊堂茶道奉讃会・戦没者慰霊茶会で席主を勤めます。当日は、慰霊堂にて、茶道宗徧流十一世家元・幽々斎宗匠が献茶をご奉仕された後、茶会が開かれます。私は茶道宗徧流を代表いたしまして、第一席(慰霊堂)にて薄茶席を担当いたします。

戦没者慰霊茶会
日時 令和7年10月19日(日)
   《献茶》10時より 茶道宗徧流十一世・山田宗徧宗匠ご奉仕
   《茶席》献茶終了後
      第一席(慰霊堂) 小坂宗優(宗徧流)
      第二席(平和記念館) 上原翠亀氏(煎茶道・東阿部流)*立礼
      第三席(平和記念館) 中山宗敏氏(裏千家流)
会場 神奈川県戦没者慰霊堂
   〒233-0008 横浜市港南区最戸2-19
   ◉京急・横浜市営地下鉄 上大岡駅より徒歩10分
茶券 4,000円

参加ご希望の方は、獨楽庵までお申し出ください。献茶式昇殿も獨楽庵にて取りまとめいたしますので、併せてお申し出ください。

駆け出し能マニア的、茶道考

一部に、能と茶道(茶席)をどちらもパフォーマンスと捉えて比較するむきがある。曰く、茶道にとって、茶室は舞台であり亭主はシテ、会記は詞章であり、客はワキであると。確かに、大寄せ茶会など茶の湯(茶事)の一部を切り出せばそうと言えなくもないが、同意し難い。

詳しい話は別の機会に譲るとして、能マニアの視点から見た茶道の点前についての考察。能の舞いは、型の組み合わせと考えることに大きな異論はないと思う。型と型を繋ぐ際にあしらいのようなものが挟まることはあるにせよ。茶の湯の点前も、型に分解することができる。道具や茶室の構えなどによって、特殊な所作が入ることはあるにせよ。

茶の湯に詳しくない方が点前を見ると、「作法が多くて大変ですね」という感想を持たれることが多いと思う。しかし、それらは「作法」ではなく、「型」なのであり、仕舞におけるサシ込ヒラキ、左右などど同じで、そこに深い意味はない。型の順番を覚えること、一つ一つの型を磨くことが稽古の本質である点で、能(仕舞)と茶道の点前は共通である。

実は訳あって、この一年間、真台子の点前に取り組んできた。一つ一つの型を磨くことの重要性を痛感した。順番は重要ではあるが、それより一つ一つの型を大事に。型はそれぞれ完結しているので、一つの型が完了するまで次の型に移らないことも重要。流れに気持ちを奪われると、ここが疎かになる。それでいて、間が大切。間は、心を一つにするためにとても重要な役割を果たしている。間が悪ければ、亭主と客、役者と観客の心は一つになり得ない。この点も両者に共通するところだと思う。