淡海節

先週末、唐津で開催された宗徧流義士茶会の翌日、呼子まで足を伸ばしイカを堪能したくだりは既に書いた。また、松峰小唄には、呼子の風景を織り込んだ『呼子の女』という曲があることも書いたと思う。

その『呼子の女』にはアンコとして「淡海節」が効果的に使われている。
“夕映の弁天島の瀬戸こえて 岸に大漁のカマス船 「舟を引き上げ船頭主は帰る」 主を松浦、呼子の女 潮の香りの束ね髪 解けて嬉しい 「浜の松風」“ 以上が『呼子の女』の歌詞であるが、「」で括られた部分が「淡海節」である。

これまで、「淡海」と言うからには「淡水の海」と言うこと、すなわち「琵琶湖」と思ってきたが、どうやら違うらしい。淡海とは、大正昭和期の喜劇役者 志賀廼家淡海(シガノヤタンカイ)のことで、淡海が劇中で歌った「ヨイショコショ節」が原点とのこと。確かに、「淡海節」には「波の音 ヨイショコショ」と言う節がある。

さらに検索を続けると、「淡海節」は淡海が舞鶴巡業中に海に浮かぶ舟を眺め故郷を思い出して作った曲という情報がある。舞鶴だから日本海かとも思うが、淡海の故郷は滋賀県堅田。琵琶湖の辺りであるから、やはり「淡海節」の風景は琵琶湖のものと考えても間違いではないと思う。

ということで、「淡海節」の淡海は、淡海=淡水の海=琵琶湖 ではなく、志賀廼家淡海の「淡海」であったが、結局は琵琶湖の風景を歌った曲である。とどのつまり、淡海節は琵琶湖の風景を歌った歌なのだった。というオチ。

写真は、その志賀廼家淡海。

SATURDAY NIGHT ZOMBIES

ユーミンの松任谷由実としての19枚目のアルバム『ダイヤモンダストが消えぬ間に』(1987年)からシングルカットされた一曲。数年前に、手元のCDは全てパソコンでデジタイズして、AppleのiTunesに保管し、日常はそれらをランダムで再生して楽しんでいる。今日、いつもの酒場で飲んだあと雨の中を歩いているとこの曲がイヤホンから流れた。

“紅いマニュキア滴るくちびる うなじ抱いてdance, dance, dance 今がchance, chance, chanceかぶりついたら とろけるようにあなたも仲間よ ぬけられないfantango 夜ごと touch-and-go 疼いてさまよう 留守番電話にはSaturday Night 墓場に行ってくると残し おいでよパーティへ 死人も生き返る Saturday Night 永遠の命わけてあげる めくめるZombie’s NIght

満員電車 汚れたワイシャツ あれは夢よdance, dance, dance 今がromance, chance, chance 本当のあなたよ BMWの箒でSaturday Night 街のそら飛びドアを蹴って おいでよパーティへ 狼になってもSaturday Night 驚く人は誰もいない 盛り上がれZombie’s Night
Saturday Night 死人も生き返るSaturday Night 墓場に行ってくると残し おいでよパーティへ 死人も生き返る Saturday Night 永遠の命わけてあげる・・・”

1987年といえば、バブルの頂点。その空気感を実に見事に表した曲だと思う。当時「社畜」という言葉があったかどうか定かではないが、月曜日から金曜日は残業の連続。まさにゾンビ。そこからの土曜日の”斜に構えた”高揚感。大いに共感できる。社畜のごとく働く様子が「汚れたワイシャツ」という一言で表現されている。しかし、その同時期の女性は「紅いマニキュアと滴るくちびる」で武装していたのか! 当時新入社員である身には記憶のかなたに、そうした図は確かにある。 さらに「BMWの箒」。当時、BMWは六本木カローラと称されていたと記憶している。猫も杓子もBMWに乗って夜の街にくりだす。まるで、魔女の箒のようだったのだろう。これも素直に共感できる。というか、もの凄い言語能力だと思う。

すでに儚くなった当時の記憶を辿ると、金曜日の夜は六本木の「墓場」の隣の店で飲んでいた気がする。いまでも「墓場」はあるのだろうか。

茶道宗徧流全国審心会総会II

去る、9月29日愛知県岡崎市にて茶道宗徧流全国審心会(他流では青年部に相当)が、お家元ご列席のもと盛大に開催されたことは、すでに書いたとおり。懇親会に余興にて、小唄を一曲なんちゃって弾き語りしたことも前回書いたとおり。

実は懇親会の余興はそれに留まらず、さらなる大役が待っていたのである。この総会を企画・運営したのは中京地区・審心会の役員の皆さん。年齢が近いというと思うが、相談役に祭り上げられあれこれと相談にのっているうちに、会長さんから次々とMISSIONが。一つが小唄。もう一つは、なんと「マツケンのええじゃないかII」を舞台で踊れというほぼIMPOSSIBLE MISSION。夏頃に会長さんから練習用YouTubeのリンクが送られてきて、「お稽古しておいてください」とのこと。リンク先のYouTubeを開くと、かの「マツケンサンバ」の振付師として名高い真島茂樹さん自らダンスを解説しているではないか。時を同じくして、真島さんが本年5月に亡くなっていたことも知った。

「人使いが荒いなあ・・・」と思いつつも乗り掛かった船なので、真面目に稽古に励んだ。おかげで、本番ではなんとかメンツを保つこと(☜何のメンツじゃ)ができたが、このダンスなかなハードで2回と繰り返すことができない。愛知県豊橋市では、この「ええじゃないかII」を盆踊りで市民が踊るらしいが、「豊橋恐るべし」と心底思った。

これを舞台上で、紋付袴で踊ったのだから、会場はさぞかし盛り上がったことだろう。
ええじゃないか。