本番まであと4日💦

茶道の傍、稽古を続けております「能」。今年は、「猩々」のシテを勤めることになり、一年中「猩々」が頭から離れませんでした。その中で、能と茶道の共通点も見出すことができ、とても有意義な一年だったと言えましょう。

共通点については、何度か書いてきましたので傍に置いておく事として、その共通点を認識した上での相違というと、まずは「芸能」という視点です。能は明らかに芸能です。舞台で舞うことに対して何らかの対価が支払われます。それに対して、茶道の点前は「芸能」ではありません。いわゆるパフォーマンスではないのです。

では、わざわざ客の面前で披露する「点前」とは何なのでしょうか。かくいう私も若い頃は「パフォーマンス」たと思っていました。お客様に美しい点前を見せようと。でも、今はパフォーマンスではないな・・・と思っています。

その違いは何なのでしょうか。一つは、こう考えます。パフォーマンス、芸能は、基本的にプラス思考です。どういうことかと言うと、どうしようもない出来でも、舞台に上がる以上それが最低線となります。つまり、その出来栄えは批判されないのです。批判されない代わりに、満足できないパフォーマンスには対価は支払われない。でも、「金返せ」ということにはなりません。

一方、茶道の点前はマイナス思考です。よくできてあたりまえ。不快感を与えたら「金返せ」にはならないまでも批判の対象となり得ます。この点が能と茶道の点前の決定的な違いだと思います。能は芸能ですから客を満足させてなんぼ。茶道の点前は、不快感を与えなくてなんぼ。それでも、客の面前で披露するからには多少なりとも「芸能」の破片があるはずです。それは何なのでしょう。

私は、その人の生き様だと思っています。

陰翳

獨楽庵の月釜では、極力電灯を消して自然光だけの空間にお役様をお迎えしようとしています。暗すぎたら、蝋燭を灯します。

ライトがない空間。障子から漏れる陽の下で観る漆器は、格別の美しさです。ライトの下ではのっぺりした唯の黒い物体でしかないのに、暗がり、自然光、蝋燭の灯りの元でみる漆器は質感を能弁に語りはじめます。

漆器に限らず、全てのものが生命を得たように生き生きと自己主張を始めます。

デジタル化され全てがものすごいスピードで走り去っている現代。立ち止まって、ライトを消してた自然光。蝋燭の灯火。忘れていた感覚が蘇ってきます。

是非、獨楽庵の茶会で経験してみませんか。

獨楽庵月釜。詳しくは専用ページ www.dokurakuan.com/monthyにて。

欲しいクルマ

今、無性に欲しいクルマがあります。それは、トヨタiQ。2008年から2016年まで販売されたトヨタの小型車です。ただの小型車でないことは、全長3mの車体に、大人4名の乗車を可能にしていることです。軽自動車の規格が全長3.4mですから、軽自動車よりも短いことになります。それでいて、普通車としての安全性も満足しています。

実は、この車は一時期所有していたことがありますが、あまり好印象ではありませんでした。1L3気筒エンジンは走行には十分でしたが、エアコンを動かすと一気に効率が落ちる感覚がありました。その後、追加された1.3Lモデルならそのあたりの余裕もあると思います。オートマ(CVT)であることも、ネガティブな印象につながったのかもしれません。

なぜ今になってiQか。それは、鎌倉のような道の狭い古都に乗り入れるには最適だからです。我が家から鎌倉の宗家への道のり、半分は高速道路です。ですから、それなりの性能と安全性が必要です。しかし一旦鎌倉の街に乗り入れたら、車幅よりも利いてくるのは全長です。全長は、切り返し時に倍になって効いてきます。

程度の良い、iQ 1.3Lマニュアル車があったら真面目に検討したいと思います。