10月5日は、達磨大師の命日(達磨忌)。禅宗の初祖として日本全国の禅林では法要が営まれています。
茶の湯は多かれ少なかれ禅宗と関わっています。流儀の宗匠は禅宗の高僧に帰依し斎号を授けられます。我々、市井の茶人も斎号を頂く訳ではありませんが、禅の教えとの関わりを常に意識していなければなりません。その意味で、「達磨忌」は茶道家にとって最も重要な日なのかもしれません。
獨楽庵では、10月5日から9日にかけて「秋の体験茶会」を開催していますが、床には「達磨」の軸を掛けお客様をお迎えしています。写真の軸は、近衛信尹卿の画讃。見ての通りの達磨の画です。左上の賛は、「達磨」の文字を分解したものです。寛永の三筆と称される能書家の三藐院様ですが、文字を分解するなど遊び心もお持ちだったようです。三藐院の烏帽子親は織田信長。豊臣秀吉の朝鮮出兵には弓を持って駆けつけるという勇猛な一面もあったようです。桃山という時代でしょうか。