クラフトビール

鎌倉浄明寺の茶道宗徧流宗家を訪ねる楽しみの一つは、鎌倉駅東口に3軒あるクラフトビールの店。

一軒は、元々アメリカ人が経営していたタップルームを日本人スタッフが引き継いだ(らしい)お店。フードも秀逸だが、ここではビールに集中。二軒目は、小町通りの入り口にあるビルの4階にできたタップルーム。タップの多さが魅力。

三軒目は、二軒目のタップルームが入っているビルの向のビル3階にあるトルコ料理店。この店行くお目当ては、フムスというひよこ豆のペースト。トルコに限らず、中東では最も一般的な食べ物だと思う。イスラエルでは、これをピタにディップ。トルコにはピタはないので、トルコ風パンをオーダーして、これにディップ。もう一つは、ファラフェルという、これもひよこ豆を使った料理。いわば、ひよこ豆のコロッケ。この2皿はクラフトビールに悪魔のように合うので危険。

先日も宗家の帰りに、フムスとファラフェルを肴にクラフトビールを2パイント。

茶道宗徧流義士茶会

茶道宗徧流の流祖・山田宗徧は元禄14年の赤穂事件(いわゆる赤穂浪士討ち入り)に深く関わっていました。そして、吉良家、浅野家双方に茶友、弟子がおりました。その人々が斬り合う事件に遭遇した山田宗徧の心を偲び、また両家で命を落とした人々を霊をともらうため、宗徧流ではこの時期に全国で「義士茶会」を開催しています。

最も大きな「義士茶会」が宗徧流門人会が開催するもので、今年は「どうする家康」にちなんだ訳ではありませんが、静岡市の名亭「浮月楼」に400余名を集めて開催されました。茶道宗徧流十一世家元、幽々斎宗匠が勤められた濃茶席。スターは、先代四方斎宗匠が、父君、八世家元・宗有宗匠をイメージして考案された「天球棚」とそれに寄り添う「天球風炉釜」。トルコを愛し、日土友好に貢献された宗有宗匠。天球棚はモスクをイメージさせます。

写真は、先に終了した青山ワタリウム美術館「山田寅次郎展」に展示された「天球棚」。展示会期間中には、この棚に寄り添う「天球風炉釜」の行方は不明でしたが、その後新潟の門人が所持していることが分かり、静岡で出会うことになりました。

席中では、幽々斎宗匠が赤穂事件に関わる山田宗徧と、それが故の宗徧の苦難をお話されました。赤穂事件の当日は、吉良邸で茶会が開かれていました。正客は、山田宗徧からすれば主君の小笠原長重公。これだけでも、宗徧にとっては大事件です。この時期、どうしても「忠臣蔵」が話題に上り、赤穂浪士=忠義、吉良義央公=悪 という図式になりがちですが、双方に思いを馳せ、霊をともらうことが山田宗徧の意思であり、現代の宗徧流門人だと思うのです。

斑唐津

去る12月5日、新宿・柿伝ギャラリーで開催されていた『藤ノ木土平展』を訪ねました。

酒器、懐石の器に紛れ数点の茶碗。斑唐津の茶碗が真っ先に目に止まり、即購入を決めてしまいました。白味の強い色合いも気に入ったし、何しろ土見せにケレン味が無い。「茶碗には茶を飲ませ、酒器には酒を飲ませよ」とは唐津在住の大先輩の言葉。

これから先、どのように変化するか。楽しみな器です。