陰翳

獨楽庵の月釜では、極力電灯を消して自然光だけの空間にお役様をお迎えしようとしています。暗すぎたら、蝋燭を灯します。

ライトがない空間。障子から漏れる陽の下で観る漆器は、格別の美しさです。ライトの下ではのっぺりした唯の黒い物体でしかないのに、暗がり、自然光、蝋燭の灯りの元でみる漆器は質感を能弁に語りはじめます。

漆器に限らず、全てのものが生命を得たように生き生きと自己主張を始めます。

デジタル化され全てがものすごいスピードで走り去っている現代。立ち止まって、ライトを消してた自然光。蝋燭の灯火。忘れていた感覚が蘇ってきます。

是非、獨楽庵の茶会で経験してみませんか。

獨楽庵月釜。詳しくは専用ページ www.dokurakuan.com/monthyにて。

狭山大茶会

去る11月9日(日)狭山市にある県営稲荷山公園で「狭山大茶会」が開催されました。この日は、獨楽庵で月釜を開催していたため伺うことはできませんでしたが、個人的に思い入れのある茶会です。

私の師匠は狭山市在住でしたので、狭山大茶会にも大変力を入れておられ、毎年この時期になると大茶会の稽古で忙しくなったものです。お茶会でのお点前デビューもこの茶会でしたし、初めての席主もこの茶会で勤めました。

稲荷山公園いっぱいに10席以上の野点席開かれる光景は壮観ですし、狭山が茶どころあることを再認識させてくれます。一口に野点と言っても、各席それぞれに工夫を凝らしているので、退屈な席は一つもありません。一日茶の湯に浸っていられる気持ちの良い茶会でした。

今年は雨混じりで、ひととき激しい雨があった一日でしたが、どのように運営されたでしょうか。盛会であったことと思います。

欲しいクルマ

今、無性に欲しいクルマがあります。それは、トヨタiQ。2008年から2016年まで販売されたトヨタの小型車です。ただの小型車でないことは、全長3mの車体に、大人4名の乗車を可能にしていることです。軽自動車の規格が全長3.4mですから、軽自動車よりも短いことになります。それでいて、普通車としての安全性も満足しています。

実は、この車は一時期所有していたことがありますが、あまり好印象ではありませんでした。1L3気筒エンジンは走行には十分でしたが、エアコンを動かすと一気に効率が落ちる感覚がありました。その後、追加された1.3Lモデルならそのあたりの余裕もあると思います。オートマ(CVT)であることも、ネガティブな印象につながったのかもしれません。

なぜ今になってiQか。それは、鎌倉のような道の狭い古都に乗り入れるには最適だからです。我が家から鎌倉の宗家への道のり、半分は高速道路です。ですから、それなりの性能と安全性が必要です。しかし一旦鎌倉の街に乗り入れたら、車幅よりも利いてくるのは全長です。全長は、切り返し時に倍になって効いてきます。

程度の良い、iQ 1.3Lマニュアル車があったら真面目に検討したいと思います。