夏の風物詩|灰の手入れを行いました
7月の桑遊会(茶事同好会)は、特別会として「朝会」を行いました。7時半席入でしたので、徐々に茶室に陽が差し込む風情は味あうことができませんでしたが、早朝から集合して茶事をする楽しさの一端は感じていただけたのではなかと思います。
江戸時代、侘び茶人の茶事は朝会が基本であったと言われます。日の出前から茶室に集い、軽めの懐石で体を徐々に目覚めさせ、濃茶で覚醒(笑)。8時には終了しますので、それから日々の用事に出掛けることができます。
今日のように正午の茶事が標準になると、茶事の前後は移動にあたってしまい茶事は一日仕事になってしまいます。これも、茶事が特別なものとして捉えられる一因かもしれません。
茶事の後は、参加者全員で灰の手入れをしました。本当は、灰を水洗いしたかったのですが、数日続いて午後はゲリラ豪雨の予報。天日で灰をカラカラに乾かすことはできそうにないため、今年は灰の水洗いは省略して、篩った灰にほうじ茶を足して手で揉んで仕上げるにとどめざるを得ませんでした。
昔から、家が火事になったら茶人は真っ先に灰を抱えて逃げると言われていたそうです。灰は手をかけて手入れするばするほど、自分の意思に沿って綺麗な灰山を作れるようになります。そうして何年も手塩をかけて「育てた」灰は侘び茶人にとって最高の「道具」だったのです。炭点前の稽古では炉中を拝見した際に「灰も大変お手入れが行き届いて・・・」と褒める問答を教わりますが、自分で灰の手入れをしてみると、手入れの行き届いた灰に素直に感動することができます。