このところ、数回にわたって宗徧流の義士茶会について書きました。14日が近づくとどうしても討入のことが気になってしまいます。習性ですね(笑)
義士茶会の趣向というと、まず外せないのが「桂籠」。一般には桂川籠と呼ばれる利休によって見出された桂川の漁師が使っていた籠です。本懐を果たした赤穂浪士が、吉良邸にあった桂籠を白布に包み首に見立てて凱旋したという話によります。利休伝来の桂籠は宗旦かた宗徧に渡り討入と遭遇しました。この籠は現在、香雪美術館が所持しています。この桂籠に入れるのは白玉椿。瑤泉院が贈られた白玉椿を見て義士達の切腹を悟り安堵したという話に由来しています。
宗家での義士茶会では、席入りの合図は「山鹿流陣太鼓」でした。軸は大徳寺祥山和尚筆の「聴雪」が定番。茶杓は、大高源吾(子葉)作の「節なき」。吉良家江戸家老の小林平八郎が所持していた茶入れ「山桜」が出されたこともありました。
その他、点心は蕎麦。夜泣き蕎麦屋に扮して吉良邸を探っていた杉野次房にちなんでとも、討ち入り前に皆で蕎麦を食べたとも言われています。細かいところでは、輪炭を使った蓋置。吉良公が炭小屋に潜んだからとのこと。大高源吾と宝井其角の両国橋での邂逅から、「宝船」。菓子は、赤穂の塩饅頭・・・などなど。
全ては出来ませんが、12月はできるだけ義士茶会(忠臣蔵)の趣向を取り入れたいと思っています。