秋の深まりと独楽庵

桑都八王子は朝晩の冷え込みが厳しくなってきました。木々も色付きはじめ秋の深まりを感じます。

秋から冬に向い、茶の湯は美しさを見せ始めます。電灯を廃した薄暗い茶室。心を落ち着け耳を澄ませが釜鳴りが聞こえます。釜の底にちらりと見える赤く灯った炭。釜の蓋を取り上げた時、釜から登る白い湯気。

忙しい日常を離れ、ひととき非日常空間に遊びませんか。リフレッシュして、いいアイデアが浮かぶかもしれません。街中にあって非日常を提供する空間「市井の山居」はそのためにあります。体験してみませんか。

雨の独楽庵

朝からの雨に濡れて庭の木々がしっとりと秋らしい風情を見せています。紅葉もようやく色づき始めました。残暑が厳しかろうと、冬が暖かろうと、日本は四季の国です。しっかり四季は巡ってきます。

秋のひととき、独楽庵の「体験茶会」で非日常を体験しては如何ですか。11月は、24日(金)に空きがございます。お申し込みは、「メニュー」→「お茶会申し込み」からお願いします。一席一組限定(見知らぬ方と相席になることはありません)。一席三名様まで(亭主一人でお相手ができる限界です)。プライベートな茶会ですので、作法など気にせずに気楽にご参加ください。

#八王子 #茶室 #独楽庵 #茶会

獨楽庵 茶室について

以前、獨楽庵は右勝手三畳台目向切の構えであることを書きました。大多数の茶席は左勝手で作られています。左勝手では、点前座から見て右側に客座があります。大多数が左勝手であることから左勝手を本勝手、右勝手を“逆“勝手と呼ぶこともあります。右勝手の茶室が少ないゆえでしょう。

右勝手の茶室が少ないということは、右勝手の手前をする機会も少ないということになります。ですから、右勝手は、亭主泣かせの席と言うこともできます。ですから、我が『獨楽庵』も正直なところあまり使われてきませんでした。獨楽庵を愛してきた古の茶人の心を探るためには、何よりもまず獨楽庵に客を招き茶を点てなければなりません。

来年正月の茶会(初釜)は『獨楽庵』を中心におもてなしをしようと思います。慣れない右勝手ですが、稽古を積んで万全の体制で皆様をお迎えしようと思います。そんな時に、大きな力を与えてくれるのが、宗徧流の流祖・山田宗徧(1627-1708)が著した『茶道便蒙抄』です。その巻末には、様々な茶室について道具の置き合わせが図解されています。置き合わせが理解できれば、点前はほぼ完成です。

画像は、『茶道便蒙抄』から『右勝手三畳半向切炉』の置き合わせ図です。300年以上前に書かれた本が現存し、今日を生きる宗徧流茶人の道標になっているのです。

#八王子 #茶室 #独楽庵