桑心会

昨日の桑心会(くずし字を読み解く勉強会)は、JR中央線の運転見合わせがあり開始が遅れましたが無事終了しました。今回は、小堀遠州の書状を題材に1時間半に渡り丹念に読み込みました。茶人の書状・消息からは当時の人間関係や風習が読み取れ、茶席の話題としても教養としても価値があります。

今年最後の桑心会は12月18日(水)。11時からです。参加費は一回5,000円。一回完結ですので、都合に合わせて参加することができます。一回のみの参加も歓迎です。

令和7年は、毎月第三水曜日を基本に開催します。スケジュールが決定次第、ご案内いたします。事前の知識は不要です。

詳しくはこちらから

獨楽庵では、文化講座、同好会として現在つぎの3つを開講しています。
1️⃣ 桑心会(そうしんかい)江戸時代の茶人の書状を題材に、くずし字を読み解く勉強会
2️⃣ 松峰小唄教室 小唄松峰派家元 松峰照師による小唄教室。随時見学受付中。
3️⃣ 正座不要の本格茶道教室 茶道宗徧流家元 幽々斎宗匠考案の「力囲棚」を使った本格茶道教室。体験会開催中。

詳しくはホームページをご覧ください。【メニュー】→【文化講座・同好会】よりお進みください。

秋の訪れ

庭のもみじが俄かに色づいてきました。朝晩はもちろんのこと、日中でも火が翳ると肌寒さを感じる陽気になりました。本格的に秋の到来ですね。

茶室でも、風炉ですともう少し火が欲しいと思うようになってきます。獨楽庵では、先週炉を開きました。お祝い的なことはしませんが、お客様には亥の子餅をお出しして、多少でも炉開きの雰囲気を味わって頂けたと思います。

これから冬に掛けて、お茶が楽しい気節になります。庭も秋の風情。日暮れれば、露路の行燈や灯籠の美しさを再発見できるとでしょう。

皆様のお出ましをお待ちしております。

小間の茶

茶室には、広間と小間の2種類があることは、茶道を嗜む方であれば誰でもご存じと思う。広間とは、四畳半以上の座敷を指し、それ以下は小間と総称される。

広間と小間の最大の違いは、台子が置けるか否か。茶の湯はひとつには権威発揚の面があることは否定できない。古くは、荘厳な書院に台子を荘ることが権威の象徴であった。台子を荘るための最小の広さが四畳半である。なぜなら、点前座に畳一畳が必要だから。

これに対して、小間の点前座は台目といって畳を3/4に切ったり、向板をはめたりしていることが多い。これは、言ってみれば台子を置けない構えにしている訳である。つまり、小間とは台子との決別。つまり、権威との決別。だから、小間席には亭主の創意工夫が溢れている。それを読み解くのも楽しみの一つであるが、ここではその話には触れない。

言いたいことは、小間は自由な空間であるということ。茶道というと手順や作法に決まり事が多く、数十年も稽古を重ねているものでも息苦しく思うことがあると思う。手順や作法は、いわば権威に付随するもの。小間では、権威を遠ざけて自由に楽しみたいものであるが、そこには最低限の規範がなければならない。無手勝流のアナーキー状態では、お互いに嫌な思いをするだけであろうから。それを明文化したのが手順や作法というものだとは思うが、その一つ一つに厳密であるのではなく、その大元の精神に忠実であるべし。あとは、臨機応変にというのが小間の精神だと思う。