「月釜」はじめます

毎月、定期的に開催される茶会です。「友の会」会員向けの「獨楽庵茶会」と異なりどなたでも気軽に参加することができます。

獨楽庵の庭を眺めながら、ひととき静寂の時間を味わってみませんか。季節の和菓子に続いて抹茶(薄茶)を差し上げます。所用時間約40分。

◼️ 令和7年度 開催日(第二土曜日)
5月10日、6月14日、7月12日、8月9日、9月13日、10月11日、11月9日(*)、12月13日
(*)11月のみ、第二日曜日(11月9日)に開催します。

◼️ 時間 ①11:00、②12:30、③14:00 の一日三席

◼️お申し込み ホームページよりご予約と事前オンライン決済をお願いします。

◼️ 会費 1,000円

詳細はこちらから

初風炉へ

炉の名残の四月。第二回倶楽茶会と称して、茶飯釜の茶事を続けてきました。それも明日が千秋楽。獨楽庵ではゴールデンウイーク中に、炉を閉じ風炉の準備を進めます。ゴールデンウイーク明けには、初風炉の趣向でお客様をお迎えします。

小間は、久しぶりぶりに「船越席」を使おうと思います。同じ三畳台目でも開放的な「獨楽庵」に対し、「閉鎖的」とでも言うべきなのか船越席。獨楽庵が庭に向けて障子であること、極太の床柱も向板の効果か威圧的ではなく、ただただ存在感を示している。右勝手であることも開放的な空気を醸成していると思う。一方の、船越。三畳台目、中柱・釣棚。席入りは潜から。北側にあることから日差しも限られている。

獨楽庵を「数寄」の席とすれば、船越は「求道」の席と言えるかもしれない。船越の作りは、全てにおいて「標準的」。すなわち、稽古の成果が即座に反映される席である。腰掛に座して亭主の迎付を待ち、蹲を使って潜(くぐり:宗徧流では、「躙口」のことを「潜」と称します)から席入。席入すると正面に床が。炉も標準的な出炉。中柱に釣棚。全てが稽古の想定通り。それ故に、この席は茶道の「求道」的な面が強調されるのかもしれない。

初風炉に際して、船越席に戻り、「道」としての茶の湯を再確認してみようと思う。

松永安左エ門追善茶会のご案内

松永安左衛門(耳庵)の生誕150年にあたる本年、小田原・松永記念館では耳庵の命日に追善茶会を開催します。

同茶会では、去る2月16日『第一回倶楽茶会』にて獨楽庵席を担当頂きました小張あゆみ氏が「耳庵」で釜を掛けられます。初夏の小田原で耳庵の「荒ぶる侘び」を偲ぶ一日を過ごしては如何でしょうか。

松永安左エ門追善茶会概要

日時 2025年6月16日(月)午前10時受付開始、午後3時終了
場所 松永記念館 小田原市板橋941-1
   献茶席 老欅荘広間<残月の間>
   耳庵  小張あゆみ氏
   葉雨庵 高橋静枝氏
   天台鳥薬亭 高野雅祥氏(煎茶)
   老欅荘寄付 高橋台一氏
   無住庵 菅井宗輝氏
   松下亭 田代祭風洞 岡見茜氏
   点心席 松永記念館2階
会費 8,000円(当日お支払いください)

締切 2025年6月5日 *6月6日以降のキャンセルはキャンセル料が発生します。

お問い合わせ 小張あゆみ氏 omote.1000.re.q@gmail.com

主宰 鈍翁・幻庵・耳庵 追善茶会実行委員会
   実行委員長 田代道彌


申込用QRコード

松永安左エ門(まつなが やすざえもん、号:耳庵)は、明治から昭和にかけて活躍した日本の実業家で、「電力王」「電力の鬼」として知られる一方、近代を代表する茶人の一人でもあります。
還暦を迎えた58歳で本格的に茶道に親しみ、「耳庵(じあん)」の号を名乗りました。茶道の精神「和敬静寂」を学び、益田鈍翁・野崎幻庵とともに「近代三茶人」「小田原三茶人」と称されました。
隠居後は小田原に住み、16年にわたり精力的に茶道具や美術品を蒐集。名品の数々は現在も東京国立博物館や福岡市美術館などに所蔵されています。また、私財を投じて茶器を寄贈し、茶会を開くなど、茶人としての名声を高めました。
松永は「好きを究めるうちに数寄になる」という姿勢で、名品の蒐集のみならず、茶の湯を人生の礎とし、現場主義や独自の美意識を貫いた人物です。
「六十にして耳従う」の論語の言葉から「耳庵」の号を取ったとされます。
その生涯を通じて、茶の湯と美術を愛し、日本の近代茶道界に大きな足跡を残しました。