霜月体験茶会

霜月体験茶会の前半は、昨日(11月10日)で終了しました。初めて茶室に入る方、2度目の方、ベテラン茶人、色々なお客様をお迎えし学ぶことが多々ありました。

夏の間は使えなかかった(使い難かった)小間席ですが、船越席の準備が整い夕去りの風情で一席建立することができました。照明を消して、蝋燭の灯りだけで。電気に慣れた身の亭主、客には不自由はありましたが、その不自由を埋めて余りある美しさがあります。なんといっても、炭の美しさに見惚れてしまいます。

「便利」な生活からひととき離れて、薄暗く静寂な空間で自身と対話してみませんか。霜月茶会、後半は23日から26日です。

お申し込みは、ホームページ、「メニュー」→「お茶会申し込み」からお願いします。

霜月体験茶会始まりました

楓の間(広間)と船越席(三畳台目席)の準備が整い、3組のお客様をおもてなししました。午後からの席は、灯りを落とした小間席に風情があります。

小間席に掛けたのは大徳寺翠巌和尚の「力囲」(国構えに力)。利休の遺偈「人生七十 力囲希咄 吾這寶剱 祖仏共殺」からです。「力囲希咄」は現代語に訳すに訳せない言葉。「エイヤー」という勢だという説もあります。この「力囲希咄」の力囲をとって山田宗徧は力囲斎を名乗り、師匠の千宗旦は咄々斎を名乗ります。「力囲」は宗徧流にとって最も重要な言葉の一つなのです。

「霜月体験茶会」前半は、明日10日まで。後半は、23〜26日に開催します。24日は午前午後4席、25日は午後に空きがあります。

ご予約はホームページ、「メニュー」→「お茶会申し込み」からお願いします。

茶席「獨楽庵」について〜その2

獨楽庵は、三畳台目右勝手というお話をしました。席の構えとして、もう一項目「向切り(むこうぎり)」が加わります。繋げると、「三畳台目向切右勝手」ということになります。向切とは、点前座(台目畳)の中に炉がしつらえてある形態です。客座側に設えてあれば「向切」、逆に勝手側に設えてるのを「隅炉(すみろ)」と呼びます。

茶道のお稽古は、殆どの場合「左勝手(本勝手)」で行います。稽古場を含む殆どの茶室が左勝手にできています。ですから、急に、右勝手でと言われると、私を含め正直平穏ではいられません。頭の中でシュミレーションを繰り返して点前に臨むということになります。しかも、点前の途中も、右だったか左だったかと冷や汗ものです。

獨楽庵のように右勝手の向切の場合、点前から見て左前に釜、右前に水壺(水指)が置き合わされます。お茶をなさっている方は直ぐにお気づきと思いますが、これは風炉の置き合わせと同じです。ですから、点前も逆勝手とはいえ基本は通常(左勝手)の風炉の点前と同じです。ただ、下座(客座と反対側)で行う所作が、右側になるという違いがあります。

これが、右勝手(逆勝手)の隅炉となると頭が混乱しますが、獨楽庵はそこまでハードルが高くありません。ということもあって、もっと獨楽庵を活用していこうと思います。