風炉の名残

一年を通じて獨楽庵で席を開き、つくづく茶の湯は季節だなあと感じ入るようになりました。それまでは、「季節感の無い男」と嘯いていましたが、やはり季節の移り変わりに何かを感じるのは日本人のDNAなのかもしれません。それでも、「この季節には⚪︎⚪︎」というルールには深入りしないようにします。やはり、自分の感性に正直に。

というわけで、今年はとうとう中置きをしないで風炉の季節が終わりそうです。今週になってようやく最高気温が20度を下回る日が現れました。このような陽気になると、中置がしたくなりますが、もう今日は亥の日です。風炉を片付け、炉の準備をしようと思います。

厳しい残暑を共に凌いだ風炉を終うのは格別の感があります。思えば、風炉は「陽」という気がします。それが、段々と冬に向かうとともに「隠」に。夏の間の楽しかったこと(小学生か!)を風炉と一緒に箱にしまう。11月は大侘びとしてやつれた道具や思い出の道具を使いたい気持ちもよくわかるようになりました。

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