昨日(11月25日)は獨楽庵をお休みにして、京都でセミナーに参加してきました。主催は、公益社団法人・有斐斎弘道館。江戸時代の儒学者・皆川淇園が開いた学問所跡を保存、活用していこうという有志の集まり。獨楽庵としても、見習うところは多いと思う。
セミナーは題して「英語で伝える茶の湯のこころ」。外国人にいかに茶の湯の魅力を伝えるかという実践的なセミナー。講師のクリスティーナ氏は、チェコ出身の裏千家茶道家。後で知った事であるが、スータートは宗徧流だったとのこと。事前に知っていれば・・・。
前半は座学で、一般に茶の湯の魅力と言われていることや、外国人をおもてなしする際のポイントなどを英語を交えて講習。参加者は、実際に外国人のお客様に茶道体験を提供している方や観光ガイドをなさっている方もいて、質疑も実践的。後半は、寄付→露地・腰掛待合→茶室と移動して、弘道館が外国人のお客様に提供している「体験」をお役様の立場で体験。寄付きでは、しっかりと茶の湯について英語で解説も。露地では、「蹲」の体験。茶室では、クリスティーナ氏の点前で薄茶を一服。
獨楽庵では、茶室では一切の電灯を消して自然光だけで茶を差し上げている。光が足りなければ燭台を出す。この暗室に蝋燭という室礼は、海外の方々には「宗教的」な印象を与えるのではないかという疑念があったが、それについてはクリスティーナ氏に一掃して頂いた。寄付、茶室ではクリスティーナ氏も電灯を消してお客様をお迎えしていた。参加者との質疑の中で、外国からのお客様は最初は緊張もあり集中しているのだが、「躙口」で昂揚してしまい、茶室では集中がなくなり雑然としてしまうという相談があったが、電灯を消す(暗くする)というのは一つの解決策になるということは参加者の間で共有されたようである。
提供する「体験」の中身、スタンス、想定するお客様が微妙に異なるので、全てが参考にできるということではないが、大変有意義なセミナーであったと思う。この成果を獨楽庵でも生かしていきたいと思う。