獨楽庵には3つの小間席があります。まず、この茶苑のシンボルである『獨楽庵』。太柱がアイコンの三畳台目右勝手です。南に向かって障子が開けており、開放的と感じる事もあります。一畳台目向板席は極小の茶の湯空間。三方が障子で開けているので、意外に開放的に感じるかもしれません。
もう一つは、『船越席』。三畳台目左勝手。潜、中柱、釣棚を備える典型的な小間席です。北側にあり、明かり取りも限られているので昼間でも電灯を消すとかなり暗くなります。これがこの席の価値かと思っています。電気による明かりに慣らされた現代人には、暗闇で過ごす経験がありません。暗闇にいると、最初は不快でも、段々と五感が研ぎ澄まされていくのを感じることができます。ここでは、この研ぎ澄まされていく感覚を味わって頂きたいのです。
獨楽庵では秋の到来とともに小間を使い始めました。もうすぐ炉開き。本格的に小間の季節になります。