昨日に一続いて三名のお客様をお迎えして獨楽庵茶会(一汁三菜のコンパクトな茶事)でした。両日とも正会員様とお連れ様。日常、茶道の稽古をしていると、どうしても点前中心になってしまいます。そんな時に、本来の茶の湯の楽しみ方である「茶事」を体験するのはとても有意義なことだと思います。
今日一般に行われている茶事は、亭主が腕によりをかけた料理が振る舞われ、しかも預け鉢、強肴、八寸と品数も豊富。とても贅沢です。獨楽庵では、このような贅沢な懐石料理は用意できません。「食事は飢えぬほど」を実践でいくような質素な懐石しかお出しすることができません。そのかわり、席入りから退席まで、2時間半から3時間で終了するというコンパクトさが特徴です。
初座の懐石で小腹を満たし、後座の濃茶に臨んでいただくという形式です。言い方を変えれば、後座の濃茶にフォーカスした茶事であると言えるのかもしれません。
話は変わって、「お茶に関心のない方々にどうしたら興味を持ってもらえるのか」という疑問を投げかけらることが少なくありません。この問いに対して、自信を持ってお答えすることはできませんが、まず前提として、お茶に興味がない(あるいは拒否反応を示す方)が頭に描いている「お茶」とはどのようなものでしょうか。おそらく、「大寄せ茶会」を頭に描いているのではないでしょうか。大勢が大きな座敷に詰め込まれて、点前を眺め席主の話を聴きながら運ばれてくるお菓子とお茶をいただく。このようなイメージに対して、興味が湧かないのはよくわかります。実は私もそうでした。
ですから、興味を持っていただこうと思ったら、「茶事」を経験するのが一つの解決策になると思っています。2-3時間を茶の湯に浸って過ごす。少なくとも、ネガティブなイメージは払拭できると思うのですが・・・如何でしょうか。