茶席「獨楽庵」について〜その2

獨楽庵は、三畳台目右勝手というお話をしました。席の構えとして、もう一項目「向切り(むこうぎり)」が加わります。繋げると、「三畳台目向切右勝手」ということになります。向切とは、点前座(台目畳)の中に炉がしつらえてある形態です。客座側に設えてあれば「向切」、逆に勝手側に設えてるのを「隅炉(すみろ)」と呼びます。

茶道のお稽古は、殆どの場合「左勝手(本勝手)」で行います。稽古場を含む殆どの茶室が左勝手にできています。ですから、急に、右勝手でと言われると、私を含め正直平穏ではいられません。頭の中でシュミレーションを繰り返して点前に臨むということになります。しかも、点前の途中も、右だったか左だったかと冷や汗ものです。

獨楽庵のように右勝手の向切の場合、点前から見て左前に釜、右前に水壺(水指)が置き合わされます。お茶をなさっている方は直ぐにお気づきと思いますが、これは風炉の置き合わせと同じです。ですから、点前も逆勝手とはいえ基本は通常(左勝手)の風炉の点前と同じです。ただ、下座(客座と反対側)で行う所作が、右側になるという違いがあります。

これが、右勝手(逆勝手)の隅炉となると頭が混乱しますが、獨楽庵はそこまでハードルが高くありません。ということもあって、もっと獨楽庵を活用していこうと思います。

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