今日の獨楽庵|2025年10月9日

獨楽庵月釜を開催しました。月釜は11時、12時半、14時と1日3席を開いていますが、遅い時間ほど人気があります。逆に、獨楽庵茶会は皆様早い時間を選ばれます。私は、大寄せ茶会は遅い時間に伺うことが多いです。多くの席は回れなくても、待ち時間少なく席入りできるのが自分のペースにあっているような気がします。

床には、松永耳庵の「一夜落花雨 満城流水香」を掛けました。句の意味から、春に掛ける軸かと思いますが、雨混じりの一日だったのであえて。最終の席は7名様でしたが、なんとか獨楽庵でお茶を差し上げることができました。獨楽庵は、つくづく良くできた席だと思います。

12月21日(日)の「第三回倶楽茶会」では、数寄茶の小張あゆみ氏が獨楽庵を担当します。獨楽庵はどのような表情を魅せるでしょうか。

第三回倶楽茶会
日時 令和7年12月21日(日)午前10時より
会場 桑都茶苑「獨楽庵」
   東京都八王子市元横山町1-14-9
【濃茶席】獨楽庵小坂宗優(広間・楓の間)
   【薄茶席】無持菴小張あゆみ氏(小間・獨楽庵)
会費 6,000円

詳細、お申し込みは専用ページ


茶室の力

茶室は、自己主張が極めて強い空間だと思います。施主の意図、茶道観が濃厚に反映されています。茶苑獨楽庵の中心をなす三畳台目台目席「獨楽庵」は、数寄の空間だと思います。

そもそも、茶道に生きる人間として、右勝手(いわゆる逆勝手)は正直、鬼門です。普段さんざ、「畳目いくつ」、右だ、左だと眉間に皺を寄せて点前に向き合っていても、右勝手の前では無力です(普段から、そういうこともあろうかと、稽古をされている方は別ですが)。

加えて、「獨楽庵」には、失敗も笑って済まそうというおおらかさがあります。こんな情景が目に浮かびます。最近、数寄の道に入り、道具もそれなりに揃えた何某を誑かし、獨楽庵で亭主を勤めさせようと、先輩諸氏が画策。新米数寄者の何某は、冷や汗をかきながら右勝手と格闘。その四苦八苦ぶりを先輩諸氏は後席のご馳走とする。こんなシーンが頭に浮かびます。

四苦八苦ぶりを肴にされた新米数寄者が、「この右勝手(逆勝手)どのように使えばよろしいのでしょうか」と先輩諸氏に問うと、先輩は「わしゃ、やったことないから知らん」と。そんな風景を自然と思い浮かべる獨楽庵です。

要は、硬いことは言わずに、お茶を楽しみましょう  と。これが獨楽庵が発するメッセージです。

今日の獨楽庵|2025年11月5日

今日は、暖房が恋しくなるような陽気、三名のお客様をお迎えしました。二名のお連れ様は、もう長く茶道から遠ざかっていらしたとのこと。今日、獨楽庵にお迎えして、昔の楽しかった茶道の記憶が蘇ってきたと仰ってくださいました。

茶道未体験の方を、「茶道沼」に引き摺り込むのはもちろんのこと、遠ざかっていた方々を再び「茶道沼」に呼び込むことも獨楽庵の目的です。

今週末、9日(日)は月釜です。12月は、13日(土)に開催します。11:00、12:30、14:00の3席。詳細、お申し込みは専用ページまで。