秋の夜長に

ようやく秋を感じることができる陽気になりました。この時期、しみじみと秋を感じられるのはやはり夕暮れからではないでしょうか。うつろう陽の光で刻々と表情を変える庭をながめ、やがて夜の帷がおりると、灯りがとても愛おしく感じられます。

獨楽庵茶会、午後の部は時間を変更いたしました。午後2時から5時の間でご都合のよろしい席入時刻を選んで頂けます。5時に席入されますと、中立の頃には陽も暮れ灯篭や行燈に火がともりより深く秋の気配を感じていただけると思います。

夜咄茶事ではございませんが、暗い露地を手燭を持っての雁行もいかがでしょうか。

「獨楽庵茶会」午後席の時間変更

獨楽庵茶会は、午前(11:00席入)と午後(14:00席入)の予約を受けていましたが、午後席の時間を変更いたします。

11月1日より、午後席は14:00〜17:00の間でご都合のよろしい席入時刻を選択できるようにいたします。14:00時に席入ですと、「飯後の茶事」に準じる形になります。17:00に席入ですと、懐石が済んだあたりで日没となります。行燈を灯した露地を手燭を持って進んで頂きますので、「夜咄」の風情を味わうことができると思います。

ご不明な点はお問い合わせください。

2025年1月のカレンダーを投稿しました。ご確認くださいませ。

いよいよ小間のシーズン

八王子は10月になって俄かに秋めいてきました。日中の気温は20度前後。朝晩は肌寒いほどです。つい数週間前までは、「暑い暑い」と残暑を恨めしく思っていたのですが、人間というのは勝手なもので、半袖が恋しく思えることもしばしば。

さて、獨楽庵では今日から小間を使い始めました。まずは、三畳台目左勝手の船越席から。この席は北側に作られているので日中でも日差しが限られていて、このシーズンには最適です。いつものようにライトを消して、蝋燭でお客様をお迎え。

そうこうしているうちに、炉開きです。利休は、上手は炉の時期を長く、下手は風炉の時期を長くと説いたそうな。貴人を迎えべく準備の整った少庵の茶室に忍びこみ、少庵のし腕前に感心しつつもわざと炉壇に傷をいれて帰ったとか。少庵はやむなく風炉でおもてなし。たいそう感心されたとの逸話を聞いたことがあります。

いつ炉を開くか。下手は思案のしどころです。