茶事における薄茶は、濃茶で締めたその茶事における感動や心の動きを主客が心を開いて語り合う場と考えています。ですから、亭主は客を引き留め、所望があれば何服でも薄茶を点て、お煮えが落ちれば、炭をついで名残を惜しみます。ですから、薄茶盛には薄茶をたっぷりと盛って持ち出すようにと教わりました。
大寄せ茶会では、時間の都合もありゆっくりと過ごせないのが残念なところですが、獨楽庵では大寄せの倶楽茶会以外は多くてもお客様は三名ですので、心置きなく薄茶を召し上がって対話を楽しんで頂きたいと思います。
薄茶点前の稽古では、詰め客までお茶が出たところで、茶碗に湯を注ぎ、「もう一服如何でしょうか?」と尋ねるように教わります。これに対して正客は「もう十分頂戴いたしました」と応えるように教わります。獨楽庵では、もし、もう一服薄茶を召し上がれるようでしたら、是非ご所望してください。