初風炉へ

炉の名残の四月。第二回倶楽茶会と称して、茶飯釜の茶事を続けてきました。それも明日が千秋楽。獨楽庵ではゴールデンウイーク中に、炉を閉じ風炉の準備を進めます。ゴールデンウイーク明けには、初風炉の趣向でお客様をお迎えします。

小間は、久しぶりぶりに「船越席」を使おうと思います。同じ三畳台目でも開放的な「獨楽庵」に対し、「閉鎖的」とでも言うべきなのか船越席。獨楽庵が庭に向けて障子であること、極太の床柱も向板の効果か威圧的ではなく、ただただ存在感を示している。右勝手であることも開放的な空気を醸成していると思う。一方の、船越。三畳台目、中柱・釣棚。席入りは潜から。北側にあることから日差しも限られている。

獨楽庵を「数寄」の席とすれば、船越は「求道」の席と言えるかもしれない。船越の作りは、全てにおいて「標準的」。すなわち、稽古の成果が即座に反映される席である。腰掛に座して亭主の迎付を待ち、蹲を使って潜(くぐり:宗徧流では、「躙口」のことを「潜」と称します)から席入。席入すると正面に床が。炉も標準的な出炉。中柱に釣棚。全てが稽古の想定通り。それ故に、この席は茶道の「求道」的な面が強調されるのかもしれない。

初風炉に際して、船越席に戻り、「道」としての茶の湯を再確認してみようと思う。

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