毎年夏になると灰の手入れをします。一年間お世話になった灰を篩い、炭の燃えかすなどを取り除きます。その灰に水を加えて攪拌。しばらくすると灰は沈澱してタライの底に、上部にはアクが浮いてきます。これが灰の汚れです。これを丁寧に掬い取り、また水を加えて攪拌。この作業3、4回繰り返すと灰が沈殿すすると澄んだ水が残るようになります。
この状態で上澄を丁寧に掬い取り、タライの底に残った灰をスノコに敷いた新聞紙の上に伸ばしたのが写真の状態です。このまま天日に干すこと一昼夜。
灰が完全に乾いたら、その灰をタライに戻し、ほうじ茶を加えながらひたすら揉みます。30分くらい揉んでいると、いい感じに湿った灰ができあがります。気の遠くなる作業ですが、自分で手入れした灰で灰山を作るのは至高にの瞬間です。灰匙を介して伝わってくるその灰の感触を思い浮かべつつ作業を進めます。
この作業、流儀では土用の丑の日に行うのが良いとされています。つまり、一番暑い日。その心は?手の油が灰に移って灰がしっとりする。という説がありますが・・・
確かに灰をも揉んだ後は、コップが持てないほど手がスベスベ?になります。
獨楽庵では、炉が3基あるので、この画像の量を5回繰り返します。