露地の作法〜その2

茶室に限らず、日本家屋には引き戸(左右に開く戸)があります。

茶会では、まず相客が集合する部屋=寄付きに通されます。日本家屋でしたらほとんどの場合入り口は引き戸でしょう。寄り付きから露地に出て、腰掛けに至るまでに中潜り呼ばれる小さな出入り口がある場合があります。ここも引き戸です。さらに、茶室に入る際に極小の入り口から身を屈めて入ることもあります。この入口を「潜り(くぐり)」あるいは「にじり口」と呼びます。ここも引き戸です。

引き戸には一つのルールがあります。もし、引き戸が指一本強開いていたら、それは「どうぞお入りください」というサインです。もし開いていなければ、開くまで待たなければなりません。この引き戸が僅かに開けられている状態を「手掛かり」と呼びます。

水屋でお客様が席入する気配を待っていても、いつまで立っても気配がない・・・こういう時は、ほとんどの場合、亭主側の粗相で引き戸の手掛かりを忘れていたことが原因なのですが(苦笑)

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