濃茶には「◯◯の昔」という銘が多い。一方、薄茶には「◯◯の白」が多い。
これには諸説あるようですが、私が教わったのは
薄茶用の茶葉は、立春から数えて九十九日目に摘むのが慣わし。漢字の「百」から一を取ると「白」という時になるので、「百引く一は九十九」というということで「◯◯の白」という銘がつけられるということらしい。
一般の茶に関しては「夏も近づく八十八夜・・・」と歌われるように、立春から数えて八十八日めに摘むのか慣わし。つまり、薄茶用の茶葉は、緑茶よりも十日遅く摘まれるということである。これには、茶木の新芽に覆いをして茶の旨みをしっかり茶葉に封じ込めるという行程が影響しているのかもしれない。
一方、濃茶には「◯◯の昔」。「昔」という感じを分解すると「十」「十」「日」となる。だから「昔」=「二十二日」なのであるが、濃茶は八十八夜から二十日目に摘むのが慣わしということらしい。
八十八夜から十一日遅れて薄茶、二十日遅れて濃茶が摘まれるということになる。
ちなみに、今年の八十八夜は5月2日。「白」は5月13日、「昔」は5月22日ということになる。さて、実際はどうなのだろう。