炉開き

今日の獨楽庵は開炉準備のため閉館でした。明日は2組のお客様が来庵予定です。開炉とて特別な趣向はありませんが、ささやかでも開炉の喜びを表現できればと思っています。

明日の八王子は快晴、最低気温6度、最高気温15度の予報です。絶好の開炉日和ではないでしょうか。

炉開き〜歳暮〜正月・初釜と茶の湯界は賑わいの時期です。お誘い合わせのうえ、どうぞご来庵くださいませ。

風炉の名残

一年を通じて獨楽庵で席を開き、つくづく茶の湯は季節だなあと感じ入るようになりました。それまでは、「季節感の無い男」と嘯いていましたが、やはり季節の移り変わりに何かを感じるのは日本人のDNAなのかもしれません。それでも、「この季節には⚪︎⚪︎」というルールには深入りしないようにします。やはり、自分の感性に正直に。

というわけで、今年はとうとう中置きをしないで風炉の季節が終わりそうです。今週になってようやく最高気温が20度を下回る日が現れました。このような陽気になると、中置がしたくなりますが、もう今日は亥の日です。風炉を片付け、炉の準備をしようと思います。

厳しい残暑を共に凌いだ風炉を終うのは格別の感があります。思えば、風炉は「陽」という気がします。それが、段々と冬に向かうとともに「隠」に。夏の間の楽しかったこと(小学生か!)を風炉と一緒に箱にしまう。11月は大侘びとしてやつれた道具や思い出の道具を使いたい気持ちもよくわかるようになりました。

獨楽庵茶会

現在、獨楽庵は茶の湯未経験・初心者向けの「体験茶会」と主として獨楽庵の維持・活用にご賛同頂いている『獨楽庵友の会』会員様向けの「獨楽庵茶会」の2種類の茶会を開催しています。「茶会」と言うと、茶道愛好家の皆様はいわゆる「大寄せ」茶会を思い浮かべると思いますが、古来、御茶をもってお客様をお招きすることを「茶会」と称していました。

現在では、「茶会」が一日に何百人ものお客様がいらっしゃり、一席に数十人が入られる「大寄せ茶会」と、少人数で初座(懐石)と後座(お茶)の2場面で茶の湯を楽しむ「茶事」に分化していると考えることができるでしょう。

その意味では、「獨楽庵茶会」は「茶事に」近いと言えます。一般に茶事は、【亭主迎付け】→【初座入り】→【初炭】→【懐石】→【中立】→【後座入り】→【濃茶】→【後炭】→【薄茶】と進みます。獨楽庵茶会では、懐石と濃茶・薄茶で席を移動するため、【初炭】を省略しています。また、炭の具合によっては【後炭】を省略することもあります。懐石も一汁三菜の侘び仕立てに徹しておりますので、全体の所要時間も2時間半から3時間とコンパクトです。また、時間配分も【初座(懐石)】よりも、【後座】を多めにしてお茶をメインに楽しむことに主眼を置いています。

お客様も一組3名様まで(*注1)とお願いしていますので、三畳台目の茶室でもゆったりとお茶と対話を楽しむことができます。
*注1:亭主一人でおもてなしするため、お客様が多いともたついてご迷惑をかける恐れがあるため。