茶事のすすめ

茶事をなさりたいお茶人は多いと思いますが、自宅に茶室がない、道具が揃わない等々の理由で諦めていませんか?獨楽庵は、そのような会員様に茶苑を貸出しています。正会員(B)は、そのようなお茶人のための会員種別です。会員になられますと、年に一回獨楽庵全域を占有してご利用頂けます(会員特典)。

先日も、若い会員様が3名のご友人をお招きし茶事をされました。サロン(ソファー席)を寄付に。楓の間(八畳座敷)で点心を。点心は、お弁当の配達をご利用になりました。中立後、濃茶席は不詳私が船越席で3名のお客様と亭主様をおもてなし致しました。もう一度中立していただき、薄茶席は楓の間に戻って。床はご亭主ご持参のお軸から花の向掛けに変えられ、手前座には鉄風炉、大板中置きと季節の設に。ご亭主自ら点前されお客様をおもてなしされました。薄茶は所望されれば何度でも・・・を実践なさり、お友達との会話を楽しまれました。

今回、ご亭主様はほとんどのお道具を持参なさり、大変なことだったと思います。獨楽庵では、このような席でご利用いただける道具を用意しておりますので、お気軽に茶事を企画なさっては如何でしょうか。全部ではないまでも、釜、風炉、風炉先、数茶碗、炉縁など大きく重いお道具は獨楽庵のものをどうぞお使いください。点心も配達を頼めますし、ゆくゆくは地元の飲食店と協力して懐石を取り寄せることも考えております。不詳、亭主も影でお手伝いいたします。

これからが茶の季節本番。何卒、ご検討くださいませ。

船越席

獨楽庵には3つの小間席があります。まず、この茶苑のシンボルである『獨楽庵』。太柱がアイコンの三畳台目右勝手です。南に向かって障子が開けており、開放的と感じる事もあります。一畳台目向板席は極小の茶の湯空間。三方が障子で開けているので、意外に開放的に感じるかもしれません。

もう一つは、『船越席』。三畳台目左勝手。潜、中柱、釣棚を備える典型的な小間席です。北側にあり、明かり取りも限られているので昼間でも電灯を消すとかなり暗くなります。これがこの席の価値かと思っています。電気による明かりに慣らされた現代人には、暗闇で過ごす経験がありません。暗闇にいると、最初は不快でも、段々と五感が研ぎ澄まされていくのを感じることができます。ここでは、この研ぎ澄まされていく感覚を味わって頂きたいのです。

獨楽庵では秋の到来とともに小間を使い始めました。もうすぐ炉開き。本格的に小間の季節になります。

秋の夜長に

ようやく秋を感じることができる陽気になりました。この時期、しみじみと秋を感じられるのはやはり夕暮れからではないでしょうか。うつろう陽の光で刻々と表情を変える庭をながめ、やがて夜の帷がおりると、灯りがとても愛おしく感じられます。

獨楽庵茶会、午後の部は時間を変更いたしました。午後2時から5時の間でご都合のよろしい席入時刻を選んで頂けます。5時に席入されますと、中立の頃には陽も暮れ灯篭や行燈に火がともりより深く秋の気配を感じていただけると思います。

夜咄茶事ではございませんが、暗い露地を手燭を持っての雁行もいかがでしょうか。