獨楽庵 茶室について

以前、獨楽庵は右勝手三畳台目向切の構えであることを書きました。大多数の茶席は左勝手で作られています。左勝手では、点前座から見て右側に客座があります。大多数が左勝手であることから左勝手を本勝手、右勝手を“逆“勝手と呼ぶこともあります。右勝手の茶室が少ないゆえでしょう。

右勝手の茶室が少ないということは、右勝手の手前をする機会も少ないということになります。ですから、右勝手は、亭主泣かせの席と言うこともできます。ですから、我が『獨楽庵』も正直なところあまり使われてきませんでした。獨楽庵を愛してきた古の茶人の心を探るためには、何よりもまず獨楽庵に客を招き茶を点てなければなりません。

来年正月の茶会(初釜)は『獨楽庵』を中心におもてなしをしようと思います。慣れない右勝手ですが、稽古を積んで万全の体制で皆様をお迎えしようと思います。そんな時に、大きな力を与えてくれるのが、宗徧流の流祖・山田宗徧(1627-1708)が著した『茶道便蒙抄』です。その巻末には、様々な茶室について道具の置き合わせが図解されています。置き合わせが理解できれば、点前はほぼ完成です。

画像は、『茶道便蒙抄』から『右勝手三畳半向切炉』の置き合わせ図です。300年以上前に書かれた本が現存し、今日を生きる宗徧流茶人の道標になっているのです。

#八王子 #茶室 #独楽庵

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です