今日は、茶道宗徧流宗家の初釜に伺ってまいりました。家元邸の小間席(不審庵)での濃茶。露地をとおって蹲で身を浄ての席入は、山田家初釜ならでは。今日も、家元夫人のおもてなしによる点心席。菓子は自ら客前で焼かれた饅頭。「静」の家元席。三畳台目不審庵での濃茶が、流祖所持の花入に利休所持の霰釜。現代アーティストによる主茶碗。それでいながら、「静」というか「寂」。これは、獨楽庵の運営にもヒントになりました。
「寂」の濃茶席と対照的な、広間でのお嬢様三姉妹による薄茶席。軸は先代、つまりお嬢様方からすればお祖父様である四方斎宗匠の弁財天像。抱えている琵琶が流祖・山田宗徧を暗示していることは門人であれば誰でもわかります。花はチューリップ。チューリップは、トルコ発祥とのことで、曽祖父八世希斎宗匠を。脇床には、三味線!お手前をなさった三女様のもの。さらに、昨年開催された審心会(いわゆる青年部)総会における参加者の寄せ書き。圧巻は、生地の台子に寄せ皆具。私は、何を思ったのか不覚にも涙してしまいました。台子には宗徧流をつなぐという決意の表れかと。可愛らしいなかにも、筋のとおった皆具はお嬢様三姉妹の巣立ちかと感じました。
この得難い体験を、獨楽庵の運営に活かしていきたいと思います。